「日本でいちばん大切にしたい会社」
- Jouji Takarabe
- 2017年3月27日
- 読了時間: 2分
ある中小企業の経済団体様でのCSR研修で参考に取り上げたのが、タイトルの書籍です。この書籍の中で著者の坂本光司氏は、企業経営の真の目的を「五人に対する使命と責任を果たすための活動」と定義し、次の優先順位で重視すべきと説いています。
1.社員とその家族
2.社外社員とその家族(社外社員とは協力業者、下請業者、仕入業者などを指します。)
3.現在顧客と未来顧客
4.地域社会・地域住民
5.株主・出資者
企業経営の目的については昔から多くの議論が行われてきました。中でも定説となっているのは資本主義の原則に基づいて「株主利益を最大化すること」です。また、例えばP.F.ドラッカーの定義では企業経営の目的は「顧客をつくり出すこと」であり、マーケティングとイノベーションによって新たな価値や市場をつくり出すことを重視していました。これらの議論に対し、坂本氏の考え方はオリジナル性の高いものとなっています。坂本氏は著書の中でこのように述べています。「株主利益を最大化する原動力は、社員、社外社員、顧客及び地域である。また顧客満足を高める原動力は社員満足である。」
著者の坂本氏は、現在法政大学の教授ですが、もとは静岡県商工労働部の職員をされていました。行政職員として数多くの中小企業の支援に当たる中で、得られたノウハウを経営学にまで高められ、大学教授に転職された異色のキャリアを持たれています。原点が中小企業支援の現場であり、身近な問題として理解しやすい考え方ですので参考にされてはいかがでしょうか。
(添嶋真人)

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